Windows 11 24H2の修復バージョンが自動配信中。一部のセキュリティパッチで問題が発生していましたが、修正版が順次配布されています。
目次
Windows11アップデートの基本情報
Windows 11は、2021年10月にリリースされたMicrosoftの最新オペレーティングシステムです。現在の最新バージョンは24H2(2024 Update)で、セキュリティ強化、AI機能の追加、ユーザーインターフェースの改善など多くの新機能が追加されています。
🆕 最新バージョン情報
2024年10月にリリースされた最新の年次更新プログラム。AI機能の強化とセキュリティ向上が特徴です。
📅 月次更新
毎月第2火曜日(パッチチューズデー)にセキュリティ更新プログラムが配信されます。
⚠️ 注意事項
2025年8月のアップデートで一時的に問題が発生しましたが、修復バージョンが自動配信されています。
Windows11へアップデートするためのシステム要件・要件確認
Windows 11にアップデートするには、特定のハードウェア要件を満たす必要があります。要件を満たしていない場合、アップデートができません。
最小システム要件
項目 | 要件 | 確認方法 |
---|---|---|
プロセッサ(CPU) | 1GHz以上、2コア以上の64ビット互換プロセッサ Intel第8世代以降、AMD Ryzen 2000シリーズ以降 |
設定 → システム → 詳細情報 |
メモリ | 4GB RAM | タスクマネージャー → パフォーマンス |
ストレージ | 64GB以上の記憶装置 | 設定 → システム → 記憶域 |
TPM | トラステッドプラットフォームモジュール(TPM)2.0 | ファイル名を指定して実行 → tpm.msc |
UEFI | UEFI、セキュアブート対応 | システム情報 → BIOSモード |
グラフィックス | DirectX 12以上(WDDM 2.0ドライバー)対応 | DirectX診断ツール(dxdiag) |
ディスプレイ | 9インチ以上、HD(720p)以上 | 設定 → システム → ディスプレイ |
要件確認ツール
手動確認方法
- CPUの世代を確認(第8世代以降のIntel、Ryzen 2000以降のAMD)
- TPM 2.0の有効化状態をチェック
- セキュアブートの対応状況を確認
- 十分な空き容量があるかチェック
• TPMなし: BIOS/UEFI設定でTPMを有効化する
• セキュアブートなし: BIOS設定でセキュアブートを有効化
• CPU非対応: レジストリ編集やRufus等のツールで回避可能(自己責任)
• 空き容量不足: ディスククリーンアップや不要ファイルの削除
Windows11へのアップデート前の準備・注意事項
Windows 11へのアップデートを成功させるために、事前の準備が重要です。以下のチェックリストを確認してください。
アップデート前のチェックリスト
💾 データバックアップ
- 重要なファイルを外付けHDDやクラウドにバックアップ
- ブラウザのブックマークをエクスポート
- メールデータの保存
- ライセンスキーの確認
🔧 システム環境の確認
- ウイルス対策ソフトの一時無効化
- 不要なプログラムのアンインストール
- Windows Updateを最新状態に
- ドライバーの最新版への更新
💿 空き容量の確保
- Cドライブに64GB以上の空き容量
- ディスククリーンアップの実行
- 一時ファイルの削除
- 不要なアプリケーションの削除
空き容量確保の具体的方法
エクスプローラーでCドライブを右クリック → プロパティ → ディスククリーンアップ
設定 → システム → 記憶域 → 一時ファイル → 削除するファイルを選択
以前のWindowsインストールファイル(Windows.old)を削除
容量不足の場合は、外付けUSBやHDDを活用してアップデート
• 電源アダプターを接続(ノートPCの場合)
• インターネット接続を安定させる
• 時間指定がある場合は余裕のある時間帯を選択
• アップデート中は他の作業を避ける
• 強制終了は絶対に行わない(データ損失の危険)
Windows11へのアップデート方法・手順【詳細解説】
Windows 11へのアップデートには複数の方法があります。最も簡単で推奨されるWindows Updateから、インストールアシスタント、メディア作成ツールを使った方法まで詳しく解説します。
方法1: Windows Update(推奨)
画面左下のWindowsボタンをクリックするか、キーボードの
Windowsキー
を押します。
スタートメニューから「設定」をクリック、または
Windows + I
キーを同時に押します。
左側のメニューから「Windows Update」をクリックします。Windows 10の場合は「更新とセキュリティ」→「Windows Update」の順に進みます。
「更新プログラムの確認」ボタンをクリックします。利用可能な更新がある場合は自動的に検出されます。
「Windows 11 バージョン 24H2をダウンロードしてインストール」が表示された場合は、そのオプションをクリックして開始します。
方法2: Windows 11 インストールアシスタント
インストールアシスタントは、Windows Updateでアップデートが表示されない場合や、手動でアップデートしたい場合に有効な方法です。
Microsoft公式ダウンロードページにアクセスし、「Windows 11 インストール アシスタント」の「今すぐダウンロード」をクリックします。
ダウンロードした「Windows11InstallationAssistant.exe」ファイルを右クリックし、「管理者として実行」を選択します。
アシスタントが自動的にPCのシステム要件を確認します。要件を満たしている場合は次のステップに進みます。
Microsoftソフトウェアライセンス条項を読み、「同意してインストール」をクリックします。
Windows 11のファイルのダウンロードが開始されます。インターネット接続が必要で、進行状況が表示されます。
方法3: メディア作成ツール(ISO)
複数のPCでアップデートする場合や、オフライン環境でのインストールに適した方法です。
Microsoft公式サイトから「メディア作成ツール」をダウンロードし、実行します。
「他のPC用にインストールメディアを作る」を選択し、言語、エディション、アーキテクチャを指定します。
「ISOファイル」または「USBフラッシュドライブ」を選択します。ISOファイルの場合は後でDVDに書き込むことも可能です。
作成されたインストールメディアから起動し、画面の指示に従ってWindows 11をインストールします。
• アップデート前に重要なデータは必ずバックアップしてください
• 十分な空き容量(64GB以上)があることを確認してください
• インストール中は電源を切らないでください
• 時間がかかりすぎる場合でも、途中で強制終了しないでください
Windows11アップデート時の不具合・トラブル対処法
Windows 11のアップデートでは、様々な不具合やトラブルが発生する可能性があります。最新の不具合情報と対処法を詳しく解説します。
2025年8月の最新不具合情報
2025年8月のセキュリティパッチ(KB5063878)で一時的に問題が発生しましたが、修復バージョンが自動配信されています。WSUS/SCCM経由でも修正済みです。
ブルースクリーン(BSOD)
症状: アップデート中や後にブルースクリーンが発生
原因: Intel SSTドライバーとの互換性問題
対処法: ドライバーの更新、システムの復元
アップデートが終わらない
症状: 更新が特定の%で止まる、進まない
原因: ディスク容量不足、ファイル破損
対処法: 空き容量確保、Windows Updateトラブルシューティング
起動しない・フリーズ
症状: アップデート後にPCが起動しない
原因: システムファイルの破損、ドライバー問題
対処法: セーフモード起動、システムの復元
メーカー別の不具合情報
富士通(FUJITSU)
- 一部のVAIOモデルでオーディオドライバーの問題
- 指紋認証機能の一時的な不具合
- 専用ソフトウェアとの互換性問題
対策: 富士通公式サイトから最新ドライバーをダウンロード
DELL
- SupportAssistソフトウェアの互換性問題
- 一部のXPSモデルでWi-Fi接続の不具合
- 電源管理設定の初期化
対策: Dell Update実行、BIOSアップデート適用
主要なトラブル対処法
1. アップデートが終わらない場合
Windows 11のアップデートは時間がかかりすぎることがあります。数時間は様子を見てください。
外付けHDD、USBメモリ、プリンターなどを一時的に取り外してみてください。
設定 → 更新とセキュリティ → トラブルシューティング → Windows Update
3時間以上進まない場合のみ、電源ボタン長押しで強制終了し、再起動してください。
2. ブルースクリーンが発生する場合
ブルースクリーンに表示される停止コードをメモしておきます。
電源ボタンを押しながら起動し、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」
デバイスマネージャーで警告が出ているデバイスのドライバーを更新します。
アップデート前の復元ポイントに戻します。
3. 起動しない場合の対処法
- 自動修復を3回実行して回復オプションを表示
- システムの復元で前の状態に戻す
- スタートアップ修復を実行
- コマンドプロンプトでSFCスキャン実行
- 最終手段:Windows 11のクリーンインストール
バージョン別:Windows11アップデート情報
Windows 11では、年次の大型アップデート(機能更新プログラム)と月次のセキュリティ更新プログラムが提供されています。
Windows 11のバージョン履歴
2024 Update
リリース日: 2024年10月1日
主な新機能:
- Copilot+ PC対応強化
- AI機能の大幅な拡張
- セキュリティ強化
- パフォーマンスの向上
2023 Update
リリース日: 2023年9月26日
主な新機能:
- 新しいCopilot体験
- ペイントのレイヤー機能
- エクスプローラーの改善
- Microsoft 365との統合強化
2022 Update
リリース日: 2022年9月20日
主な新機能:
- スタートメニューのフォルダー
- 新しいタスクマネージャー
- スナップレイアウトの改善
- 音声アクセスの追加
月次更新プログラムスケジュール
毎月第2火曜日(日本時間:第2水曜日深夜2時頃)にセキュリティ更新プログラムがリリースされます。
更新月 | KB番号 | 主な内容 | 不具合情報 |
---|---|---|---|
2025年8月 | KB5063878 | セキュリティ更新、パフォーマンス改善 | 一時的な問題発生→修復版配信済み |
2025年7月 | KB5062553 | Microsoft Changjie IMEの修正 | 繁体字中国語IMEの問題 |
2025年6月 | KB5060829 | AVDアプリアタッチ機能の修正 | 仮想デスクトップ環境での問題解決 |
Windows11へのアップデートによくある質問(FAQ)
Q: Windows 11アップデートは無料ですか?
A: はい、正規のWindows 10ライセンスをお持ちの場合、Windows 11への無料アップグレードが可能です。期限は設定されていません。
Q: アップデートにはどれくらい時間がかかりますか?
A: 通常1-3時間程度ですが、PCのスペックやインターネット速度により異なります。時間がかかりすぎる場合でも慌てずに待つことが重要です。
Q: システム要件を満たしていない場合はどうすればいいですか?
A: BIOS設定でTPMやセキュアブートを有効化する、レジストリ編集による回避方法があります。ただし自己責任での実行となります。
Q: アップデート後にWindows 10に戻せますか?
A: アップデート後10日間は「回復」機能で戻すことができます。それ以降はクリーンインストールが必要です。
Q: 古いパソコンでもWindows 11は動きますか?
A: システム要件を満たしていれば動作しますが、第4世代以前のCPUでは公式サポート外となります。動作が重い場合があります。
Q: SSDは必須ですか?
A: 必須ではありませんが、HDDよりもSSDの方が大幅にパフォーマンスが向上します。特に起動時間やアップデート時間が短縮されます。
まとめ
Windows 11へのアップデートは、正しい手順と準備を行えば安全に実行できます。システム要件の確認、十分な空き容量の確保、重要データのバックアップを必ず行ってください。
• 事前準備を怠らない
• システム要件を必ず確認
• 時間に余裕をもって実行
• 不具合が発生した場合は慌てずに対処
• 最新の不具合情報をチェック
2025年8月現在、Windows 11 24H2が最新バージョンとして提供されており、AI機能の強化やセキュリティの向上など多くの改善が行われています。一時的な不具合は修復版の配信により解決されているため、安心してアップデートを実行できます。
アップデートでご不明な点がございましたら、Microsoft公式サポートまたは各PCメーカーのサポートにお問い合わせください。